古代型槍穂先

これは古代槍穂先のレプリカで、長さは10㎝と11㎝です。ただし黒曜石ではなくて、酒瓶ガラスを材料として作られています。とはいえ、その製作技法は古代と同じ「押圧剥離法」が用いられたため、加工痕は発掘出土品にそっくりといって良いでしょう。

黒曜石は天然ガラスとも言われ、その割れ方はガラスと全く同じなので、製作技法を同じにすることで出土品の類似品が作れます。30年前の私は黒曜石が入手できなくて瓶ガラスで技法を練習しました。技法に習熟してくると、出土品の鑑定にも役立つことがわかりました。それを繰り返すうち、ガラス材での矢じり製作がおもしろくなって、それが趣味化してしまいました。

この写真は、最近出版した拙著『セルフメイドの世界』(群羊社)の表紙をかざるため、あえて色ガラスが引き立つように光の当て方を工夫して撮影したものの1枚です。

岩城 正夫,2006.04,vol.013

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