左右利き手と道具操作

構造的にどちらも可能でも道具の多くは右利き操作ですが世界の約1割は左利きです。例えばカメラでは唯一の左利き操作のモデルはドイツらしいエキザクタの一眼レフで映画「裏窓」に登場します。右利きの私には巻き上げやシャッター操作には違和感を感じますがそれは1割の人も本来同じでしょう。その後自動化時代にキョーセラのサムライが左右利き用を同時発売しヒットしても何故か左用は全く販売不振。規格化された道具の用い方に適応する柔軟な能力が人間と道具の関係なのでしょう。乗り物も重要なアクセルとブレーキが右でも順応するのは免許取得過程での順応です。

私の利き手の記憶は昔バイクでアウトバーンで200km巡航時のメーターの撮影を仕事上試みた際に、右手はスロットル操作でも左手でオートフォーカスなら可能な筈が当時は振動で撮影不能で諦め、旧いペンタックスのレンズを広角に変えフィルムを巻き上げ絞り速度距離設定など全て盲牌は使い慣れた愛機故でも難儀したのは右手前提のシャッターで、これがエキザクタならの思い出です。

一條 厚,2024,vol.198

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