高性能なニセモノの障子
自宅マンションの障子の張替えをDIYしましたが……。木材で精緻に造作されたかに見えた5ミリ角の組子は、なんとアルミ製でした。表面は寧ろ、本物よりも、手触りも見た目も「木らしく」作り込まれています。桟もアジャスター機能が秘められているので枠にピタリと納まるんですが、イミテーションなんですよね……。
アルミですので通常の糊では接着できないと思い、でんぷん糊に木工用ボンドを練合せての「障子の張替え」に挑戦してみました。新品時は、今どきの両面テープで貼り付けるタイプでした──要はメンテナンスを前提にしていない工業製品です。「障子の張替え」なんて、今や死語か?!
障子紙を先ず霧吹きで湿らし、糊を付けた桟に貼り合わせる「水張り」の方法を採用。気持ち良くピ~ンと張られた陰影礼賛の完成です。でも、ニセモノの工業製品ですので、モヤモヤ感は残ってしまいました。
富山 祥瑞 , 2019.11 , vol.157