道しるべ

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3度目の訪問となるベトナムは雨期前のハノイに限定、旧市街のまん中に1週間宿をとり、そこでの暮しを楽しむことにした。バイクの洪水に平然と立ち向かうコツを会得したころ、周辺のディテールも見えてきた。
そのひとつが道路名標識。細い路地の分岐点でも見つかる。紅白ダンダラポールの先端にとりつけられた紺地に白抜き文字のパネルは、サイズも大きく天地40センチほど、とにかく目立つ。地図を片手の異邦人には強い味方となり、迷わず歩くことができた。ついでに、路地カルな番地のつけかたルールも発見。
スペインやイタリアでも辻つじの石壁には道路名パネルがはめ込まれており、これにも助けられた。日本では、まあ京都かな。
ハノイの標識デザインは、広くて整備された新市街地の道路でもまったく同じ。自由と統制をほどよく綯い交ぜながら成長しつつある若きベトナムの、良き道しるべを見る思いがした。

写真:ハノイ・ホアンキエム地区にて

(磯貝 恵三 2018/05)

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