ソビエトカメラの魅力
ソビエトカメラとは、旧ソビエト諸国で作られたカメラのことである。
ソビエトカメラは中古を買えと言われる。中古であれば、少なくともちゃんと動いていた時期があることがわかる。ところが新品は全く動く保証がない。また、最初使えていてもトラブルは頻繁に起こる。とにかく品質管理のレベルが低い。
そんなソビエトカメラの魅力は、旧西側諸国では考えられないほど無骨・無愛想な造形である。おまけに精密感がない。このどうしようもなさが立派なキャラクターになっている。見せびらかしアイテムとしては非常に強力である。もう一つは、何を撮影しても不思議とソビエトっぽい雰囲気になることである。ソビエトから発信された写真は当然ソビエトカメラ撮影なので、そのせいかもしれないが、日本の真夏の風景も涼しげに写るのはなぜだろう?
しかも、それでいてがんばればちゃんとした写真も撮れるのである。涼しげだけど… なかなか飽きないオモチャである。
写真:Kiev-60(ブローニー版一眼レフ),ARSAT30mm(対角魚眼レンズ)
細田 彰一,2009.03,vol.048