沖川 悦三
私はリハビリテーション病院と福祉施設の中でエンジニアとして働いています。リハビリテーション工学(リハ工学)という領域で、1970年頃アメリカで生まれた概念です。リハ工学は身体に何らかの障害がある方々のQOL(生活の質)を高めるための科学と技術の応用であり、様々な専門領域があります。私自身は機械工学の出身で研究テーマは「車椅子と車椅子に関係する移動用具の開発研究」「重度障害者のための姿勢保持装置の開発研究」「障害者のレジャー・スポーツ機器の開発研究」です。
臨床場面でのリハ工学には「道具」が重要な要素になることが多く、道具の開発はもとより、既存の道具をどのように使うか、使うために必要な加工や工夫はないか、等の考察も重要です。道具学会の活動や、会員のみなさまの専門領域は多岐にわたり、そこから得られる情報は新たな発見のきっかけになることもあります。より多くの方々が「道具」について考えていける学会だと思います。
神奈川県総合リハビリテーションセンター 研究部 リハビリテーション工学研究室
(2014/09)