磯貝 恵三

生活環境デザイン

■ このごろ思うこと
 如意棒を手に孫悟空は地の果てまで行ってキューとひとっ飛び。のはずが釈迦如来の手のひらに留まったままだった。そう、如意棒はいまスマホと名を変え、世界中の情報を凝縮し、たなごころで意のままに操り、そして操られる。
 これって道具?ま、否定はしないけれど世の中は多くの等身大のモノとコトで成り立っているはず、そのことも忘れないでね、手足の萎えた頭でっかちの宇宙人にはならないでね、と向かい座席のスマホ族に無言のツイート。
 あ、もひとつ孫悟空といえば觔斗雲。いま悪用されリモコンの殺人飛行物体となる。道具として認めるわけにはいかない。でも、内戦の被害地や地震被災地に、反勢力などに阻まれて届かない救援物資を無人で送りこむサンタロケットやコウノトリ弾に変身するならば、これはマル。
 そんなことを願いつつわたくし自身はこれからも「用と美」の探求を楽しむつもりです。
 皆さん「道具学(楽)会」にいかがですか。ご一緒に。

■ 略歴
 1936年7月東京生れ 1960年3月東京教育大学(現筑波大学)芸術学科卒業 同年4月より東京芝浦電気株式会社(現東芝)勤務 26年間デザイン開発と生活文化研究にかかわる。
1987年より筑波大学勤務、デザインを指導・研究する側に変身。2000年からの5年間、熊本での教員生活(とユニバーサルデザインの旗振り)を経て2005年にフリー。現在は文京区千駄木と北信濃黒姫山麓を往来、まき割りと畑しごとのかたわら道具の在りかたを手探っている。

著書・著作 『プロダクトデザインの広がり・比較デザイン文化論』など
作品 『60平米の文化交流基地』(インテリアデザインコンペ大賞) 『洗濯機「銀河」VH-8000』など
道具学会報告 『道具原論ー棒とヒモ』『ウズベキスタンの暮らしと道具』など
研究課題 『利き手と道具』『トイレットペーパー』など
道具を語る会テーマ 『映画の中の道具だて』なんていかがですか?

(2013/10)

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