フィギュアの箱、箱入り娘

何の変哲もない、フィギュアの「箱」です。

本来は商品の陳列や輸送、管理をし易くし、輸送時に本体を傷や衝撃から守るためのもので、手元に届いて開封されれば本来はそこでお役御免になるはずのものです。しかし、世のオタクたちにとってはこの「箱」は商品の一部であり、箱の有無、箱の状態(傷やシミ、ヤケなど)がその商品の価値を上げたり下げたりしているのです。

某鑑定番組を見ていると、この「箱」に関しては、フィギュアの世界のみならず、玩具の類でも「箱」の有無、そして状態がその価値を大きく高低させています。

「箱」は、本体を守るための梱包道具から、それ自体がもはや、商品としての価値を有する存在になっているのです。

大坪 紗那,2020.09,vol.162

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