「自然の匠」と「人工の技」―黄鉄鉱(Pyrite・パイライト)二態

 黄鉄鉱(pyrite・パイライト)は、火山活動の活発な場所で形成される「不思議な鉱石」である。その結晶体は人工的に作られたかと思えるほどに整った「正六面体(キュービック)」で産出され、まさに「自然の匠」の賜物と云える。
 一方、原石は「穴がゴツゴツと開いた力強い物体」だが、それは、「人工(職人)の技」によって「見事な球」に削り上げられる。その黄鉄鉱。結晶体も原石も、共に非常に強い邪気払いの石、又、運気を開く護符とされる。その内に秘められた地底からのエネルギーが、持つ人の周囲に邪気防御の結界を張り巡らして神力を与えてくれるのだと云う。「綺麗でキュービックな結晶体」は、その「安定力から心身のバランス」を保ち、「原石から磨き上げられた球体」は、人の「潜在能力の発揮」を促してくれるのだと云う。その名前はギリシア語の火花に由来するもので、火打石としても用いられていた。地底のエネルギーとは、きっと地球の中の凄まじい「マグマの魂」なのかもしれない。

写真:「原石を加工した見事な球体(左)」と「綺麗でキュービックな結晶体(右)」

(藤本 清春 2018/02)

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