十二支道具の動物園-龍頭蛇尾

賀正!! 来年は巳年ゆえ今年は龍から蛇への道具進化論を一筆啓上。

明治16年建立の鹿鳴館評判記客室の項に曰く「浴室には長六尺幅三尺蠟石(ろうせき)製楕圓形の風呂あり、傍の龍口(たつくち)を捩れば轟然声(ごうぜんせい)があって清水噴出する精巧、驚くべきものあり。」

水道栓を龍口(たつくち)・龍頭(たつがしら)と称したのは明治中期頃で、明治後期には蛇口に。水道網の超進化で水栓呼称は龍から蛇へ退化?

ところで、西洋舶来水栓の原名鶏口(コック)・鶴首(カラーン)を開化日本で何故龍(ドラゴン)に宛た? 我邦文化基盤中国の水龍頭(sui long tou)に因んだため。江戸時代、消防ポンプを龍吐水と呼んだ、そんな伝統の継承だった。

道具の進化と呼称の退化、西洋舶来品に東洋語・漢訳-道具における言語現象学は本会「道具と言語」研究会重要テーマのひとつ、挑戦されたい。だがまずは本会各研究部会に託したい道具への問いを楽しむ楽問懇談・道具楽サロンにご参加を!!

毎週金曜開催:道具楽サロン 座長 山口昌伴,2012.01,vol.082

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