シチリンと芋煮会
なんとも妙な形をした七輪である。呼び名は“薪しちりん”。愛知県は碧南市にある杉松製陶さんが作っている。
2005年頃、青森県以外の東北地方の各地で盛んに行われている芋煮会で使える七輪が作れないものかと相談を受け、最初に試作し製造したものが写真右側のもの。上部に焚き口となる受けを取り付け、下部の風戸は四角の穴をあけたのみで戸はない。
この形のものを販売したが、またまた相談があり、今度は焚き口と風戸が同じ面にない方が使い勝手が良かろうという結論になり、写真左側の現行の製品が新たに作られた。写真では少々解りづらいが、風戸に戸を付けその真後ろに焚き口を設けた形に仕上げた。
「こんなものを使いたい」という要望に、柔軟に対応する姿勢がすばらしい。新しいスタイルのものが生まれてくるプロセスが垣間見えて興味深かった。
気になった方は、インターネットで「杉松製陶」を検索してみて下さい。
岡本 大三郎,2008.11,vol.044