ガラスの火消し
喫煙場所を探すのに苦労する近頃、愛煙家に問いかける『ガラスの火消し』。『ガラスの火消し』の中央にはタバコの直径ほどに作られた穴。
1本のタバコを差し込むと、美しく消えてゆく仕掛けの道具。
テーブルに置くと灰皿ではあるが、オブジェとしての存在感がある。
「これは灰皿ですか?」と問いかけられる。使われないことを期待して「灰皿です。どうぞ…。」と申し上げる。
灰皿でもあり火消しでもあるが、この美しい透明感の中に灰を落とす気になるものだろうかと疑問が浮かぶ。美しさを気にする方は、しばし禁煙するのではないだろうか。
製作者は花器など多目的な道具と言っているが…。
この道具の使命はやはり『たばこを吸わせない灰皿』であり、気持ちを癒す道具であろう。
式田 完,2006.10,vol.019