藤本 清春

■道具文化研究の意味

道具とは、人々のより豊かな生存への道、生活求道の道に具えられしものです。全ての人々が何らかのかたちで道具づくりに携わり、全ての人々の営みが道具文化に育まれる今日、道具のさらなる進展によって、物心両面における豊かな生活を構築せねばなりません。すなわち、従来の価値観を刷新し、未来のものづくりを構想し事業化する「道具文化研究」の実践が今求められているのです。「道具文化研究」とは、人間と道具の正しい関係を築きあげるべく構想された、研究・開発・啓蒙活動の総称であります。それは同時に「新しいものづくり、未来への道具づくり」を実践する、総合開発事業でもあります。

■道具文化研究のミッション

●地球時代の基層を貫く、道具研究と人間教育の起点となること
●混沌たる今日世界に、新たな人間観・道具観・自然観を提示すること
●物心両面にわたる、豊かな生活実現への行動規範を構築すること
●新たな道具世界探求を通じて、新種の道具を創造すること
●人間と道具の共生の思想を、未来へ向けた地球社会に提言すること

■道具文化研究の4つの領域

●調査研究活動 (基礎研究・応用研究・基礎調査・研究提言)
●企画開発活動 (コンサルティング・調査・企画・開発)
●啓発推進活動 (道具文化普及運動・道具広報活動)
●事業展開活動 (国際デザインネットワーク展開)

■入会へのお誘い

道具学会は、「道具」や「モノづくり」さらには「デザインの世界」を巡って、自らの好奇心に素直に従い、色々と想像を膨らましたり、様々な場所を訪れて、その地の物事や人々と触れ合う、刺激的で大変楽しい「楽会」です。まずは立ち寄っていただくところから一歩が始まります。是非お近づきになってください。


1947年東京生まれ。1971年早稲田大学理工学部工業経営学科卒業。同年 GKインダストリアルデザイン研究所(代表:栄久庵憲司)に入所。 GKデザインインターナショナル(米国・ロサンゼルス)駐在員事務所所長、株式会社GK総合企画部長、 株式会社Voice of Design取締役などを歴任。主に、商品企画・事業企画・経営戦略などを担当。GKデザイン機構(GKグループ本社)取締役副社長を経て、現在 GK道具文化研究所 所長。
他に日本デザイン機構理事、道具学会理事、日本インダストリアルデザイナー協会会員、イベント学会会員、静岡文化芸術大学 非常勤講師など

(2012/06)

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