アメリカのワッフルアイアン

アメリカではワッフルはお菓子というより日常食の1つ。それを作る小型の調理家電・ワッフルアイアン(もとは鋳鉄製のワッフル型の呼称)は大抵の家庭にあり、メーカーは全米で80社以上もあった。1930年代半ば頃からはこのモデル(GE社 “Westport,”1939)のような流線型やアール・デコ調のディテール処理が見られるようになり、インダストリアルデザイナーの関与がうかがわれる。

ワッフルアイアンやその他の小型調理家電は、しばしば「ギフト」として購入されていた。クリスマス・シーズンなどの(夫から妻への!)贈り物として広告され、結婚する花嫁に親戚友人が新家庭で使う品々を贈る習慣(“bridal shower”)でも、小型調理家電がよく選ばれた。このSFに出てくるような外観をもつワッフルアイアンは、ギフトとして贈り合うのにもきわめて好都合だったかもしれない。

ちなみに、あちらにはワッフルの記念日(8月24日 National Waffle Day)まである。ワッフルアイアンの最初のパテントが取れた日だという。

面矢 慎介,2015.01,vol.118

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