ハーモニカ

相変わらず根強い人気で愛好家の多い楽器の一つ、ハーモニカ。シンプルなメロディーから、ポピュラー、ブルース、ジャズまで幅広く活躍しています。小学校の音楽の授業も鍵盤ハーモニカが取り入れられるまではリコーダーと共に活躍しました。一口にハーモニカと言っても多くの種類があり、サイズもさまざま。ハーモニカだけで構成されるアンサンブルも盛んで、高音、低音、伴奏、ソロとダイナミックなセッションが可能です。

写真は私の父親が愛用していたもので、今や形見となった楽器。幼い頃の記憶で軍艦マーチや唱歌などを演奏してくれました。大正生まれの父は戦場には行かなかったものの、群馬の基地で飛行機の整備の任務を行なっていたらしく、音楽が好きだった父はハーモニカの演奏で仲間も自らも癒していたのかもしれません。これほどハンディーで和音も単音も奏でることができる楽器は少なく、独特の温かい音色は時代を越えて人々の心に響き続けると思われます。唯一の欠点と言えば、演奏しながら歌うことが出来ないことかもしれませんが、楽曲を奏でる道具としてはかなり完成された素晴らしい楽器の一つと言えます。

峯 郁郎,2016.06,vol.134

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