ワインの栓

ワインを飲む前の大切な儀式「ワインオープナーを使い、うやうやしくコルク栓を抜く」。この大切な儀式を意とも簡単に裏切ってくれたのがスクリューキャップ。利便性や長時間保存後のコルク臭の嫌いからということは大いに理解できるが、儀式をもないがしろにできるほどの理由ではない。ワインを飲むには「バリバリ」ではなく「ポン」と音がしなければと思うのだが、皆々様のご意見を伺いたい。

さて、先日カルフォルニアワインを頂いた。スクリューキャップではない。期待を込めてカバーを切り剥がす、とそこに現れたのが写真前面のガラスの詮である。引き抜いたら「ぽん」と音がした。コルク臭や、ましてやコルクのかけらがワインに散らばることもない。コルクオープナーという道具も必要ない。まさにすべて解決されたのであるが実に複雑である。この形は一升瓶のふたに使われていた詮に酷似している。ただ素材にガラスを使っているところがデザイン的? さて、この栓を認めることができるのか、今はただ平常心で見つめることとする。

※栓とボトルとの接触部分にはシリコンが巻かれており密封できるようになっている。

草苅 みの里,2008.03,vol.036

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