路面電車の時間

路面電車復活構想が盛んだ。(堺市ほか70都市)

’06年4月「富山ライトレール」がLRV(低床式・次世代路面電車)を富山市中心街に再活性化への布石として導入した。

2コ1車輌の先頭・後部は卵型のおおらかなカタチが快(こころよ)い。白を基調にした編成別のアクセントカラーは、やがて街を明るくするきっかけとなろう。路床が旧来のままの所も多く、乗り心地は悪いが、付帯する構成物、サイン、広告の扱いも整って清楚だ。公共の道具は美しいことが必須。

路面電車の車窓からは木々のひと枝、ひと葉まで観とれて、時間を超えさせてくれる。

LRVは更にエコロジカル路線を進展させつつある。ニッケル水銀電池駆動(川崎重工)、誘導レール1本を路面に埋めゴムタイヤで走行するトランスロール式(三井物産)等々。

技術が先駆的であろうとも、時間を大切に思わせる道具であって欲しいと思う。

車輌の概要:全長18.4m、全幅2.4m、全高3.4m、ステップ高0.3m、定員80名、最高速度60km/h、7編成
路線の概要:13駅、運転間隔10~15分
製造:新潟トランシス
デザイン:GK設計、GKインダストリアルデザイン、デザイン総研広島、島津環境グラフィックス
写真:室澤敏晴

逆井 宏,2007.04,vol.109

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