ishigep.jpg石毛直道

■ メッセージ
学生の頃に考古学を専攻しました。遺跡から出土するモノから、歴史や古代の生活を復元するのが考古学です。のちに、世界各地で文化人類学のフィールドワークをおこなうようになってからも、モノに表現された文化である物質文化に関係のある仕事をよくするようになりました。
 食いしん坊のことゆえ、食文化の研究がおおいのですが、料理も道具学の一環に位置づけることができます。しかし、料理における道具論では、包丁や鍋・釜などの加工具だけしかとりあげないのが普通です。
 道具とは、環境にある素材を人間に役立つように加工して、利用するモノのことです。料理もおなじことなのですが、食べてしまったら跡形なくなるので、料理そのものを物質文化のカテゴリーにいれて考える人はすくないようです。
 食生活、住生活、衣生活など、モノで表現される生活のすべてを、道具論の立場から検討してみたらおもしろいはずです。
 住生活に関しては建築学の学会、衣生活では服飾関係の学会などがあります。しかし、それらの専門学会の枠を超えた、生活全般にかかわるモノについて、自由に論じることができるのが道具学会です。
 既成観念にとらわれない、若い方がたの道具学会への入会を歓迎いたします。

■ 略歴
 1937年生まれ。京都大学人文科学研究所助手、甲南大学助教授、国立民族学博物館助教授、教授、館長をつとめる。現在、国立民族学博物館名誉教授。
■ 主要著書
 『住居空間の人類学』(鹿島出版会)、『麺の文化史』(講談社学術文庫)、『食卓文明論』(中公叢書)、『飲食文化論文集』(清水弘文堂書房)、『石毛直道自選著作集』(全12巻、ドメス出版)など。

(2013/10)